ユニット (Units)
ユニットとは、賭け金を一貫して管理し、実際の金額を明かさずに結果を記録するために使用される、資金(バンクロール)の固定された割合のことです。
ユニットとは、金額そのものではなく、測定の基準となる単位のことです。「ビジャレアルの勝利に€50賭ける」と言う代わりに、ユニットを用いるベッターは「2ユニット賭ける」と言います。ここで言う1ユニットとは、合計資金(バンクロール)に対する固定された割合であり、一般的には1%、リスク許容度に応じて0.5%や2%に設定されます。例えば、今日の資金が€3,000で、好調な月を経て€3,600になった場合、ユニットの金額は自動的に再計算されますが、賭け金と資金の比率は常に一定に保たれます。
この手法が重要な理由は、ベッティングの比較や予想屋の評価、あるいは自身の過去の成績を振り返る際、ユーロの額面だけではほとんど意味をなさないからです。€200の賭け金は、資金が€500の人にとっては大きな意味を持ちますが、資金が€50,000の人にとっては全く異なる意味を持ちます。ユニットはこの曖昧さを排除します。予想屋が「今月は+14.2u」と投稿した場合、その数値はフォロワーの資金量に関係なく共通の指標となり、予想屋自身の資金が増減しても、過去の成績と直接比較することが可能になります。
また、ユニットは規律を維持するという静かな役割も果たします。標準的な賭けを1ユニット、確信度の高い賭けを2ユニットと決めておけば、あらかじめ上限を設定したことになります。これにより、最も一般的な2つの資金管理ミスを防ぐことができます。それは、負けを取り戻そうとして通常の3倍の額を賭けることと、連勝した後に「標準」の賭け金をいつの間にか徐々に上げてしまうことです。ユニットシステムは、賭けの判断をその場の感情ではなく、あらかじめ冷静な状態で決定することを強制します。
例
あるベッターが資金を€1,800に設定し、1ユニットをその1%である€18と定義したとします。このベッターは3段階のシステムを採用しています。標準的な賭けには1u、確信度が高い場合は1.5u、最も確信度が高い勝負には2uを賭け、それ以上は決して賭けません。
- 賭け1:ビジャレアル対ヘタフェ戦、ビジャレアルの勝利にオッズ1.85で賭ける。標準的な確信度のため、1u = €18を賭ける。的中。利益:€18 × 0.85 = €15.30。
- 賭け2:ヤニック・シナーのハードコート準々決勝勝利にオッズ1.65で賭ける。市場がこの対戦カードを過小評価していると判断。確信度が高いため、1.5u = €27を賭ける。的中。利益:€27 × 0.65 = €17.55。
- 賭け3:ロンシャン競馬場の16頭立てハンデ戦で、オッズ12.00の穴馬に各賭け(each-way)をする。投機的なため、1u = €18に戻す。不的中。損失:€18。
3つの賭けの合計損益:+€15.30 + €17.55 − €18 = +€14.85。ユニットで表すと:+0.85u + 0.975u − 1u = +0.825u。
2ヶ月後、好調が続き資金が€2,400に増加しました。ベッターは再計算を行い、1ユニットは€18から€24になりました。今後の賭け金は新しい資金に合わせて調整されますが、過去の記録はユニットのまま残るため、先月の「+9.4u」と今月の「+6.1u」は、1ユニットあたりのユーロ価値が変化していても直接比較することができます。
主要ポイント
- 賭けに対する意見を決める前に、ユニットサイズを固定する: 試合を選び始める前に、リスク許容度に応じて資金の1%(または任意の割合)をベースラインとして決定してください。試合に興奮してから決めるのは、1ユニットの計画が4ユニットの計画に変わってしまう原因になります。
- 賭けのたびではなく、スケジュールを決めて再計算する: 資金が€10動くたびに計算するのではなく、月単位や一定の賭け回数ごとにユニット価値を再計算してください。頻繁に再計算しすぎると、連勝時に賭け金が危険なほど膨れ上がり、連敗時に賭け金が小さくなりすぎて意味をなさなくなります。
- 段階分けはシンプルにする: 3段階(例:1u、1.5u、2u)で十分です。「どれくらい確信があるか」に応じて1u〜10uまで細かく分けるベッターは、たいていの場合、後付けで感情的な賭け金を正当化しているだけであり、ユニットを使う本来の目的を損なっています。
- 勝率ではなく、ユニットの記録で予想屋を判断する: 低オッズで勝率55%の予想屋でもユニットを減らしている可能性があります。一方で、高オッズで勝率40%の予想屋が大きな利益を出していることもあります。誰かの助言に従う前に、勝率ではなくユニットの記録を提示してもらいましょう。
- 「ユニット」という言葉を曖昧にしない: 通常の記録とは別に「遊び」でユーロ単位の賭けをした場合、その数値をユニットの記録に混ぜないでください。システムが守るべき比較可能性が損なわれてしまいます。
- ユニットは正確さではなく、一貫性のためのもの: ユニットを使ったからといって、悪い賭けが良くなったり、良い賭けが悪くなったりすることはありません。その真の価値は、感情や連勝・連敗、あるいは悪い週の後に取り返そうとする衝動によって賭け金が左右されるのを防ぐことにあります。